小学校1年生に薦める絵本5選

 子育て中のみなさん、お子さんに読ませる絵本をお探しではないですか。
 今回、小学校1年生にして、年間400冊以上の絵本を読んだというお子さん(みーちゃん)に、読んだ絵本の記録を振り返ってもらい、良かったと思う絵本を選んでもらいました。
 みーちゃんのご両親と私もみーちゃんの選んだ絵本について、「どうして選んだのか」を尋ね、またリストにある本について改めて読み直したりしてこの記事を書きましたが、大人の意見ではなく、子供の意見を重視する記事を作るために、みーちゃんが本当に面白かったという作品を選んでいます
 みーちゃんのご両親も、毎週図書館にお子さんを連れて行って絵本を借りる中で、インターネットの情報を参考にすることもあるそうですが、お子さんのレベルにあったものを選ぶのはとても難しいとのことでした。ここでは、かなり絞って5冊を紹介していますが、今後、別の記事でこの5冊以外にも同じようにおススメの作品を紹介したいと考えています。

 なお、小学校1年生は、自分で本を読める子もいれば、まだ読み聞かせのみの子もいます。みーちゃんも、自分でも読みつつ、ご両親に読んでもらいたがるとのことでしたが、ここで薦める作品はちょうどその頃のお子さん(年長さん~小学校2年生)にオススメの作品となっています。長い作品はみーちゃん自身が読むことが多いようですが、いずれにせよ、是非参考にしてください。

 もし、この選んだ本についての意見があれば、参考にさせていただくとともに、みーちゃんのご家族と共有したいと思います!

それしかないわけないでしょう

作:ヨシタケシンスケ
出版年:2018年
ページ数:32ページ

 作者であるヨシタケシンスケ先生は、今や絵本作家でもトップクラスの有名人で、大人向けの本も含めて多くの著書を出版されています。
 みーちゃんもヨシタケシンスケ先生のファンで、子供向けの作品はほとんど全て読んだとのことです。中でも、みーちゃんのお気に入りはこの「それしかないわけないでしょう」です。
 ヨシタケ先生の作品は、子供が、うーんと考えさせられる話が多く、どちらかというと子供なりの知的な面白さがあるようで、読み聞かせたらみーちゃんも考えながらも笑っていました。
 小学校1年生であるみーちゃんのお気に入りということなので、ヨシタケ先生の作品で何を読もうか悩んでおられる方にはおススメです。
 ただし、ヨシタケ先生の作品は全部面白かったらしく、確かに大人が読んでも面白いことは間違いありませんし、図書館でも予約が入っていて借りられないことも多いです。したがって、どの作品でも、一度手に取っていただくことをお勧めいたします。

ハンカチともだち

作:なかがわちひろ
出版年:2019年
ページ数:96ページ

 みーちゃんがこの作品を図書館で借りたのは、学校から1年生・2年生への推薦図書として選ばれていた本だからです。
 みーちゃん本人の感想を直接書くとネタバレになってしまうのでここで表現しにくいですが、登場する二人の人物が会話を重ねるうちに次第に理解しあっていく様子が良かったと感じているようで、これは大人がナビゲートしなくとも、ここまで小学1年生が絵本の内容を理解しているのかと感心した感想でした。
 ご両親曰く、単純に笑える作品を好むみーちゃんが、このような感性を備えていることに驚いたとのことでした。
 ちょうど小学校低学年の子の成長にあった絵本だと思います。

アッチとドララちゃんのカレーライス

作:角野栄子
絵:佐々木洋子
出版年:2012年
ページ数:72ページ

 このおばけのアッチの話は「小さなおばけシリーズ」として、1979年にスタートしました。
 みーちゃんの学校では、この「小さなおばけシリーズ」がとても流行っているらしく、すごく人気ということでしたが、よく話を聞くと、みーちゃんたちも昔からある本だと分かっているらしく、「古いやつは面白くない!」そうです。
 時代とともに少しずつ作風を変え、今の子供たちも楽しめる内容となっているのですね。
 このシリーズは少なくともみーちゃんたちの学校では鉄板の人気作品らしく、その中でもみーちゃんはこの「アッチとドララちゃんのカレーライス」が良かったとのこと。どちらかというと、感動系の作品というよりは、面白い系の作品で、うまく読んであげれば、子供は爆笑するし、みーちゃんはどんどん自分で読み進めているそうです。
 ページ数もそれなりなので、自分で読むことができるようになってきた小学生が、自分で読み始めるためにもおススメの1冊です。

えらいこっちゃのいちねんせい

作:かさいまり
絵:ゆーちみえこ
出版年:2019年
ページ数:28ページ

 みーちゃん曰く、「えらいこっちゃのようちえん」と並ぶ名作だそうです。
 おっちょこちょいの主人公が、授業中にトイレに行きたくなりどうすればよいのか分からずあたふたするなど、慣れない学校生活で直面する様々な「えらいこっちゃ」を描いた作品で、読むとお子さんの笑うこと間違いなし。
 就学前の園児にも、小学校1年生にも適切な内容となっており、笑い続きの最後には少しほっこりするハートウォーミングな作品になっています。
 内容は少し大げさかもしれませんが、お子さんの学校生活を想像するきっかけにもなり、読み聞かせしやすい長さとなっているため、大人も楽しめるかもしれません。

まなちゃんはおおかみ

作:種村有希子
出版年:2020年
ページ数:32ページ

 この本は、ページ数こそ少ないですが、みーちゃんが感動した1冊です。

 主人公である「まなちゃん」は、クラスのおゆうぎ会で、『おおかみと7ひきのこやぎ』の劇をすることになり、おおかみの役を割り当てられますが、気に入りません。一方、同級生のかいくんは、おおかみ役をやりたがります。二人の思いはすれ違ったまま、おゆうぎ会の本番が始まってしましますが…

 上記の「ハンカチともだち」のように多感な子供たちの心の変化をしっかりと子供が受け取ることができる作品であり、また、「えらいこっちゃのいちねんせい」と同様に子供自身の体験と重ねながら読み進めることができる作品となっています。

おわりに

 いかがでしたか。私も今回色々と絵本を読みましたが、子供の感性はすばらしいと感じました。もちろん、お子さんによって好みもあると思いますが、悩んだ時は参考にしていただければ幸いです(みーちゃんのご両親も毎週悩むそうです)。

 なお、読み聞かせの際などには、是非子供に「このとき、この子はなぜこんな風に考えたのかな」「どこが面白かった?」など、たくさん話しかけてあげて、そしてよく考えさせてあげてください。読み聞かせ自体にも、たくさんの良い効果がありますが、その際無理のないように考えさせてあげれば、それが必ず、子供の成長にしっかりとつながっていきます。