壊れた本棚を解析してみた

  • 2020年5月24日
  • 2020年6月3日
  • 解析, 設計
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 我が家にはお値段以上の価値がある企業さんの家具を使用しています。好きすぎて同じ棚を4つほど買いました。が、そのうち2つを義理の父と弟に破壊されました

 まだ新型コロナウィルスが流行する前、ホームパーティーをした際に椅子が足りなかったから椅子代わりに使った。という犯行動機でした。私の目の前で行われましたが、その惨劇を止めることができませんでした。

無残にも破壊された本棚。
壊れた天板はノコギリで切って捨てました。
天板がないおかげで、スケッチブックや画用紙もしまえるようになったので結果的にGoodだったと思います。

 もちろん相手にも悪気があってやっているわけではないので、笑顔で許しました。高いものでもないですし、おかげで笑いあふれる素晴らしいパーティーになったので良しとしましたが、2つも壊すとは…!!と少しだけ切ない気持ちになりました。

 そこで「なんでそんなに壊れるの?」という疑問がわいたので、強度解析を行ってみました。

巻き尺で測って簡単な3Dモデルを作ってみました。

 その結果、ネジで止められている箇所にとんでもない力がかかっていました。

木材なので20Mpaくらいが壊れるラインだと考えると、5倍くらい力がかかっていました。そら壊れますわ。

 支えているところに一番力が出るとは理解してたのですが、まさかこんなに!というところがありました。
 「壊れやすいから乗らないでね!」とただお願いするより、この画像を見せて
 「マジでヤバイからもう勘弁してください。」って言った方が相手に伝わると思います。
もし棚を椅子代わりにする人や、小さなお子さんがいらっしゃる家はこの画像を見せて説得材料に使ってください。

 ただこのままだと、壊れちゃったアハハ!とお気楽に終わってしまいますので、壊れにくい形を考えてみました。

ネジの部分だけでなく、板全体で受けるような形にする。天板を側板に沿わせて挿入する。

 その結果、少なくとも60kgの人が乗っても大丈夫なくらいにはなりました。

100Mpaかかっていたものが12Mpaまでさがりました。

 前より丈夫になったから!大丈夫だから!!と言われるより、こうして結果を見せられた方が説得力ありますよね。百聞は一見に如かずというやつですね。皆さんも組み立て式家具を購入される際は、部品同士が「どういうくっつき方をしているのかな?」ということをご検討されると壊れにくいものを買うことができるかもしれません。

 なお最近のお値段以上の価値がある企業さんの家具には「工具不要」でおなじみのN-CLICKという家具があるみたいですが、本当に欲しいです。この構造なら耐久力もありますしね。やっぱり素晴らしい商品を開発されるなぁと思います。

 いかがでしたでしょうか。使い捨てられるくらいの金額の家具が多いからこその安全面も検討していきたいですね。(特にお子さんがいる世帯などでは)
次回は気が向けば、芸人のオードリーさんのおかげで一躍有名になったIKE〇さんの例のあの椅子(POÄNG)を検証してみようかなと思います。