評論家や口コミアプリにおけるワインの評価について(補足記事)

 当ブログでは、ワインについて多く取り上げますが、とりわけワイン評論家の意見やワイン関連アプリ等の口コミを重視し、私自身の個人的見解があまり前面に出過ぎないようにしたいと考えています(語りたくなりがちなので…)。
 そこで、当記事では今後様々な記事で言及することになるであろう評論家や、ワイン関連アプリについて触れたいと思います。

有名評論家等について

ロバート・パーカー(パーカー・ポイント)

SOURCE : Wine Advocate

 ロバート・パーカー氏は、世界のワイン価格に影響を与えた、最も著名なワイン評論家であり、パーカー・ポイントとは、1978年に創刊したワイン・アドヴォケイト誌に掲載した各ワインに対する評価です。

96-100: 格別に素晴らしい
90-95 : 図抜けている
80-89 : 平均以上~非常に良い
70-79 : 平均的
60-69 : 平均以下
60未満: ひどい

 ボルドー(メドック)の格付けワインであれば、80点台後半~90点以上に評価されているワインが数多くあります。
 パーカー氏は永年の経験と知識、そして並外れた嗅覚と味覚の持ち主ですが、パーカーポイント自体はパーカー氏の趣向が強く反映されることから、どうしても偏りがあると言え、一般的に骨太で堅牢、濃厚なワインが好まれる傾向にあるといわれています。
 しかし、ワイン評価アプリでは、AさんがXというワインを、BさんがYというワインをそれぞれの尺度で評価して、点数を付けている状態となっています。この点、何万というワインを飲んだ上で、決められた基準に従い評価しているプロ中のプロであるパーカー氏の評価には安定感があるといえるでしょう。

 ロバート・パーカーとパーカーポイント、ヴィンテージ・チャートについては、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

 

 

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ヒュー・ジョンソン

SOURCE : 「世界のワイン図鑑」より。写真左がヒュー・ジョンソン氏

 ヒュー・ジョンソン氏はロバート・パーカー氏とは違ったスタイルでワインを評価しています。実際にポケットワインブックを読むと、ワインへの評価はより詳細に示されていますが、メドックワインの評価記事などでは単純化して、ポケットワインブック2017に掲載されている評価を、星の数と色だけで示しました。
 赤色がついているものは、コスパが良いと評価されたワインです。
 ヒュー・ジョンソン氏の著書はポケット・ワインブックではありません。素晴らしい書籍を多く輩出しているので、今後の記事でも詳しく紹介したいと考えています。

その他の有名評論家

 その他にも、上記の2人と同等以上の有名評論家はたくさんいます。
 あくまで2人を最初に紹介したのは、当ブログでその評価を数値化して表現しやすかったからにほかなりません。
 ニール・マーティン、ジェームス・サックリングなどの注目評論家については、今後、この記事に加筆するか、別記事で紹介することを考えています。

ワイン関係アプリ

Vivino

Vivino: Buy the Right Wine

Vivino: Buy the Right Wine
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 Vivinoはユーザーがワインを記録、評価でき、また他人の評価を確認することができるアプリです。世界中にユーザーがおり、2020年2月現在で3000万人以上のユーザー数となっています。
 プロの方も大勢いるようですが、大半は素人なので評価は区々であり、推測ですが、素人が多くなると高級ワインの評価がほとんど4.0以上とならざるを得ず、反面、コスパワインの評価が比較的高くなる傾向にあるといえます。
 さらに私の感覚では、ジンファンデル(プリミーティヴォ)のワインの評価が比較的高いように感じます。

 このアプリの良いところは、ユーザー数が多く世界中にユーザーがいることから、ビッグデータとしての性質を持っており、特に世界中で飲まれるような著名なワインに対する評価の偏りは比較的少ないのではないかと考えます。
 一方で、高級ワインの評価とコスパワインの評価が近くなる傾向があり、特に高級ワインの評価は差が出にくいこと、国によって評価の基準が異なることも考えられ(基本的に高評価を付ける国民性など…)、流通に偏りがあるワインについては、評価の国民性によって偏りが出る可能性があることなどがデメリットを挙げることができるでしょう。

Vinica


Vinica(ヴィニカ) - ワインを写真で記録するアプリ

Vinica(ヴィニカ) – ワインを写真で記録するアプリ
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 アプリの仕様はVivinoとよく似ています。東京・大阪・名古屋でワインスクールを展開する「アカデミー・デュ・ヴァン」が開発したアプリで、このためかVivinoと比べて評価が辛口(点数がむやみに高くない)で、日本人の登録者がほとんどかと思われます。
 公式ホームページによると、2018年3月時点でユーザー数が14万人を突破しているようです。

 ワインが味覚によって評価されるものである以上、日本人ユーザーの多いVinicaの評価は、日本人好みのものが見つけ易いといえるでしょう。そして、Vivinoと比較して高い評価のワインで差がつきやすいと考えられるため、ボルドー格付けワインの評価について期待ができます。

終わりに

 この記事は、主にボルドー(メドック)格付けワインに関する評価についての記事の補足のために作成したものですが、様々なワインの評価指標について解説する記事として今後どんどん内容を更新していく予定です。