ボルドー格付けワインは、世界中のワインラヴァーを魅了する憧れのワインです。
しかし、高価なワインであっても、必ず期待どおりの感動をもたらしてくれるとは限りません。ワインも飲み物である以上、好みで決まる要素は強いですが、考察の価値はあるでしょう。Y’s NOTEでは、様々な角度から、格付けワインを検討していきます。
今回の記事では、評論家や口コミサイト等の評価を基にコスト・パフォーマンスの高いワインを探っていきます。今回は、格付2級、3級に続いて、4級に焦点を当てます。
なお、シャトーの歴史などを中心に、それぞれの格付けワインの概要についての記事を個別に作成していく予定にしています。
2級編、3級編はコチラ↓↓↓↓
ボルドー格付けワインは、世界中のワインラヴァーを魅了する憧れのワインです。 しかし、高価なワインであっても、必ず期待どおりの感動をもたらしてくれるとは限りません。ワインも飲み物である以上、好みで決まる要素は強いですが、考察の価値はあるで[…]
ボルドー格付けワインは、世界中のワインラヴァーを魅了する憧れのワインです。 しかし、高価なワインであっても、必ず期待どおりの感動をもたらしてくれるとは限りません。ワインも飲み物である以上、好みで決まる要素は強いですが、考察の価値はあるで[…]
ワインの評価まとめ
以下に、評論家やアプリの評価結果をまとめたものを示します。私自身がワインを選ぶときに、「こういう表があったらな…」と思っていたものです。
一つ一つのワインを定性的に、自分自身の言葉で紹介していきたいところですが、私よりずっと優れた先生方が様々な場面で評価をしてくださってますし、全てのワインを同時に比較したわけでもありませんので、このような評価の寄せ集めによる検討の方が真実に近づけるのではないかと考えました。
ワイン名(一部省略) | 価格 | PP | Viv | Vin | HJ |
Ch.サン・ピエール | 6,420 – 10,560 | 91.1 | 4.1 | 3.44 | 3 |
Ch.ベイシュヴェル | 9,655 – 17,160 | 90.7 | 4.2 | 3.40 | 3 |
Ch.タルボ | 7,260 – 12,980 | 90.3 | 4.2 | 3.46 | 3 |
Ch.デュアール・ミロン・ロートシルト | 9,350 – 18,150 | 90.2 | 4.2 | 3.48 | 3 |
Ch.ラ・トゥール・カルネ | 5,148 – 10,428 | 90.0 | 4.0 | 3.34 | 2→3 |
Ch.ブラネール・デュクリュ | 5,038 – 13,690 | 89.8 | 4.1 | 3.28 | 3 |
Ch.プリュレ・リシーヌ | 5,940 – 9,900 | 89.4 | 4.1 | 3.36 | 3 |
Ch.マルキ・ド・テルム | 6,842 – 7,543 | 88.0 | 4.1 | 3.24 | 2→3 |
Ch.ラフォン・ロシェ | 4,136 – 9,350 | 87.9 | 4.0 | 3.27 | 3 |
Ch.プージェ | 8,580 – 16,170 | 87.0 | 4.1 | 3.31 | 2 |
青字 … 価格ないし評価が低いもの
紫字 … 最低価格は低いが幅のあるもの
太字 … 価格ないし評価が高いもの
今回の検証の結果
最も評価の高いワイン
格付け4級のワインの中には、3級のスーパースターであるシャトー・パルメほど、明らかにトップ評価のワインがありませんでした。
たった10本のワインなので、1本を選びたいところですが、上位4本は比較に困るところです。すなわち、サン・ピエール、ベイシュヴェル、タルボ、デュアール・ミロンの4本です。まず、一般的な評価(根拠少ないので個人的な印象となるかもしれませんが)として最も著名なワインは、ベイシュヴェルかタルボでしょう。特にタルボは、神の雫で取り上げられるとともに、ベイシュヴェルと比較して安価であるためか、Vivinoなどでの評価件数も飛びぬけて多くなっています。
しかし残念ながら、はっきりと評価が1番高いと示す根拠はなく、現時点ではこの4本を、4級の中で評価の高いワインとして位置付けたいと思います。
コストパフォーマンスに優れたワイン
4級の中でコスパが高いワインとして紹介したいのは、シャトー・サン・ピエールです。
詳細な検討結果は、記事の最後で説明したいと思います。
評価について
販売価格については、2020年10月頃、楽天市場等から確認しました。多くの場合、2013年で価格が低く設定されており、最安値で販売している業者の金額を入れています。また、最高値は2000、2005、2009など2000年以後の当たり年で、1999年以前のワインは除いています。
なお、極端なセール品は除いていますが、例えば扱っている業者が少ないワインは、①2013などのヴィンテージが売っていない、②価格設定の低い業者での扱いがないなどの理由で、最低価格が高めに表示されているかもしれません。特に、4級にはそのようなワインが多く見られました。ですので、価格はあくまで参考と考えてください。
PPはパーカー・ポイント※、Viv、Vinはワイン評価アプリVivinoとVinicaのヴィンテージに関係ない評価で、括弧書きは評価数です。
HJは、ヒュー・ジョンソンのPOCKET WINE BOOK 2017に記載されている星の数を記載しており、赤字はコスト・パフォーマンスの高いワインと評価されたワインです。
なお、PPは、『ワインと手土産〜ホームパーティーを華やかに』から引用させていただきました(2010-2014年のPP平均得点です)。
当ブログでは、ワインについて多く取り上げますが、とりわけワイン評論家の意見やワイン関連アプリ等の口コミを重視し、私自身の個人的見解があまり前面に出過ぎないようにしたいと考えています(語りたくなりがちなので…)。 そこで、当記事では今後様[…]
検討詳細
4級全体についての評価
3級の中でもトップクラスのワインであるパルメやカロン・セギュールを除いたときに、4級トップクラスの4本のワインの評価は、3級中位~上位と比較しても遜色のないものでした。また、下位のワインも3級に大きく劣るわけではないようでした。ざっくり言ってしまえば、2級は2級たる評価を保っているものは多いものの、3級と4級は近い距離にいるのだということかと考えます。
また、4級は本数も少なく、また流通量が少ないこともあってか、有名なワインが少ないです。
しかし意外に、こういうワインこそ、製造方法の変化などにより品質を高めているにも関わらず、ワインの良さに価格がついていっていないものがあると考えています。
そういった目線から今後も研究を続け、少しずつ精度の高い評価をしていきたいと考えています。
評価から見えてくるポイント
上述のとおり、最も評価の高いワインを決めるのは、3級編などと比較して困難でした。
一方で、どのワインがコスト・パフォーマンスの高いワインと評価すべきかの判断をするのは3級と比較するとやや容易だったと思います。
やはり評価の高い4本から選ぶとなると、表を見て明らかなように、サン・ピエールかタルボということになります。そして、それ以外の6本と比較しても、サン・ピエールについている価格がはっきりと高いとは言えないことから、サン・ピエールを今回は1番コスパの高いワインとして選びました。
プリュレ・リシーヌやブラネール・デュクリュなどもバランスよく評価されており、今後再評価する際には、サン・ピエールやタルボなどと飲み比べるなど、注目していきたいと考えています。
なお、品質はヴィンテージによって大きく左右されますので、注意してください。ヴィンテージ・チャートについては、下記の記事を参考にしてください。
ヴィンテージ・チャートを調べたことはありますか。ヴィンテージ・チャートは、インターネットなどで公開されています。 今回は最も有名なものの一つ、ワイン・アドヴォケイト(Wine Advocate)のヴィンテージ・チャートの取得方法について[…]